2021年は40以上の商品を発売したS.H.Figuarts 仮面ライダーシリーズ。
2022年も様々なラインナップを準備中ですが、今回は発表したばかりのS.H.Figuarts『仮面ライダーリバイス』シリーズの商品もまじえながら、商品企画の発案から発売までの流れや、開発の裏話をご紹介します。
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企画立案から約1年間かけて商品を発売しています!
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社内で商品企画担当がどんな商品を販売するかを企画立案してから、実際に店頭に並ぶまでには約1年の時間をかけています。
大きく分けると「社内検討期間」「版権元監修期間」「工場開発期間」があり、みなさまに彩色試作品(*)の商品画像とともに発売決定をお知らせできるのは、版権元さまの監修が完了してからとなります。

*「彩色試作品(工場用彩色見本)」とは?
商品を生産するための、可動・彩色確認用の試作品。
実際の製品とは素材や塗装方法も異なるため、彩色試作品のイメージに近い製品を生産するために、工場開発期間の間に、生産前に工場で作った試作品(以下「工場試作品」)を何度もチェックし試行錯誤します。


S.H.Figuarts 仮面ライダーシリーズは「彩色」との戦いである
この記事では、2月に発売予定の「S.H.Figuarts 仮面ライダーリバイ レックスゲノム」を例に、彩色試作品~工場試作品の過程のほんの一部をお見せします!
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画像は、左から「彩色試作品」「工場彩色品(1回目~4回目)」「プリプロダクト品(*)」の順に並んでいます。
この商品は明るいピンク色の再現が難しく、そこを重点的に調整しています。
みなさんが思う「仮面ライダーリバイのピンク」を表現できるように調整を重ねています!
ぜひ実際に手に取ってお確かめください。

*「プリプロダクト品」とは?
量産をスタートする直前の工場試作品の呼称です。お客様の手に届く商品にもっとも近い状態のサンプルで、S.H.Figuarts ニチアサブログでは、開発進行が間に合う限り、このプリプロダクト品の撮影記事を受注期間中に公開しています。

「S.H.Figuarts 仮面ライダービルド ラビットタンクフォーム」以降、主役ライダーの基本フォームは手に取りやすい価格でお届けするために、「成型色」と「彩色」の2つの色表現方法をうまく配置し、約150mmの中でキャラクターイメージを追求しています。

ひとことで「基本フォーム」といっても、作品によってフィギュア化のハードルが異なるため、毎年S.H.Figuarts担当は頭を悩ませています。
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『仮面ライダーリバイス』のリバイは、ジオウ、ゼロワン、セイバーと比べると、色の再現がしやすい「黒」の面積が圧倒的に少なく、さらに「メタリックピンク」という色の再現が難しい色がボディの大多数を占めているため、これらのS.H.Figuartsの価格帯での立体化が難しいデザインです。

というのも、「彩色工程数」は、フィギュア生産において価格に与える影響が大きいからです。


「細かい塗分け」「モールドとのせめぎあい」……大変でした
彩色の難しいところは、仮面ライダーリバイのような「イメージの再現」の他にも、様々なケースがあります。

担当者が大変だったシリーズ①
「S.H.Figuarts 仮面ライダー雷」の肩アーマーの細かい塗り分け
ほんの10mmほどのパーツの中に、図のように、黒の成型色に対し13回も彩色を施しています。工程数が多い=コストがかかるため、他のゼロワンシリーズの標準価格帯である6,000円(税抜)でみなさまのお手元にお届けするために苦労した商品のひとつです。
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担当者が大変だったシリーズ②
「S.H.Figuarts 仮面ライダービルド ニンニンコミックフォーム」の4コママンガ
ニンニンコミックフォームは、アーマーや刀のフラットな面に絵柄があるのではなく、1段凹んだ面に絵柄があるデザインになっています。細かな絵柄の彩色は、軟質素材のスタンプのような治具を使った「タンポ印刷」という方法で再現するのですが、印刷面に凹凸があるとその難易度が上がります。
マンガのタンポのズレを極力少なく量産するために、開発担当が試行錯誤を重ねた商品です。
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番外編:通常のS.H.Figuartsと真骨彫製法のちがい
放送中作品のキャラクターを中心に、スタンダードな仕様でお届けしている通常のS.H.Figuartsシリーズと、高い解像度でのキャラクター表現をめざす真骨彫製法シリーズでは商品のコンセプトと価格帯が異なるため異なる苦労があります。

「S.H.Figuarts 仮面ライダービルド ラビットタンクフォーム」と「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダー電王 ソードフォーム」の「メタリックレッド」を例に見てみます。
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ビルドの半身におよぶ広範囲のメタリックレッドは、コストの上昇により販売価格が跳ね上がらないよう、黒の成型色の上に調整したメタリックレッドを直接彩色し彩色工程数をおさえています。
電王は、黒の成型色の上に一度下地となるシルバーを彩色してからメタリックレッドを彩色しています。シルバーが下地となることでシャープなメタリックレッドが表現できている代わりに、彩色工程数が増えるためコストとの調整に苦労しました。



いかがでしたでしょうか?
ご紹介したのはほんの一部ですが、発売告知の際にお見せする彩色試作品と、実際にお届けする製品との間に、大きなイメージのギャップがなるべく生まれないよう日々工場から届く工場彩色品やプリプロダクト品を確認、試行錯誤と調整を重ねています。

2月店頭発売予定の「S.H.Figuarts 仮面ライダーリバイ」も、記事前半にお見せしたプリプロダクト品から最終調整を行い、こんな風に何度も調整を重ねながら初回生産限定メーカー希望小売価格3,850円(税込)以上のバリューをお届けできるよう尽力しましたので、ご期待ください!!
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「S.H.Figuarts 仮面ライダーリバイ レックスゲノム(初回生産)」「S.H.Figuarts 仮面ライダーバイス レックスゲノム」は2022年2月店頭同時発売予定。いよいよ1月11日より店頭予約開始です。
発売に先駆け、一部の家電量販店、ホビーショップ等の魂ネイションズコーナーで最終調整サンプルの展示も行っています。


最後に、あのポーズの再現をS.H.Figuartsでトライしてみたのですが……、
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なんと、この状態で自立するという奇跡が起きました!(商品には、接続用ジョイント等はないのであくまで重心バランスのみで自立・保持した状態です)
みなさまもぜひチャレンジしてみてください!



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©2021 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映
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