聖闘士聖衣神話EXシリーズに「ワイバーンラダマンティス ~ORIGINAL COLOR EDITION~」が登場。魂ウェブ商店で2020年11月8日(日)23時まで受注販売中だ。
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今回は、「冥王ハーデス(2020年12月店頭発売予定)」に続き採用されている新素体「EX METAL 素体」の開発に携わった、原型師・南田香名氏/設計担当・トイテックD.T.C設計担当氏/BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部・相澤歩の3人にインタビューを実施。

特別に撮りおろしした「聖闘士聖衣神話EX ワイバーンラダマンティス ~ORIGINAL COLOR EDITION~」の画像と共にその新素体の魅力に関して語ってもらった。


■EX MELAL素体について

――まずはEX METAL素体開発協力として携われた南田様にお話しを伺いたいと思います。今回のプロジェクトの経緯をお聞かせください。
南田:前担当者さんから「EX素体の改良をしたいのでご協力を」と打診をいただきました。ダイキャスト関節はそのお話以前から進んでいまして、自分の方へは主に聖衣装着時に露出する肩周りの可動域の拡大と見栄えの向上というテーマをいただきました。3rd素体の再評価をいただいていたような流れもあり、同様の構造の導入をしたいということで。そのお話を伺いながら、こちらの意見も出させていただいた、という感じです。

――BANDAI SPIRITS担当者からはどのようなオーダーがあったのでしょう? 
南田:実際の作業についてはトイテック様の方でなされるということでしたので、3rd素体の肩周りの構造について、当時の設計時の具体的なプランなどを説明させていただきました。ただ、3rd素体の肩の単なるコピーなら、そのままコピーすれば済んでしまいますが、EX素体の寸法に合わせ込む必要がありましたので、そのアレンジに当たっての考え方をお伝えしました。また、その作業についてのチェックも担当させていただきました。

――また南田様ご自身が改良の機会を伺っていた部分はありますか?
南田:EX素体のコンセプト自体は自分が担当した3rd素体とはだいぶ違うと感じていました。ですので、それぞれの良いところ取りはできるのではないかとは思っていました。ですが、EXに関してはオーダーをいただいていない以上は、自分のテリトリー外と思っていましたので。 今回お声がけをいただきまして、聖衣の装着に絡む部分以外の修正とのことでしたので、真っ先に思ったのが肩まわりで、そこは担当者さんとも一致していた部分でしたので、スムーズでした。また、肩周りが単に3rd素体の再現では進歩はないので、胴体側にあるリングを球体ではなく、脇の下が存在するような形状へというのは狙ってみました。

――南田様から見たEX METAL素体のポイントをアピールしていただけますでしょうか。
南田:自分の立場では「肩の見栄えを見てほしい!」と言いたいところですが、ユーザーさんからすると何よりもダイキャスト関節の恩恵が大きいのではないかと思います。この関節のダイキャスト化は、関節強化のみならず、装着時の肘膝が聖衣色で表現できるという面でも大きな意味があると思います。「聖闘士聖衣神話」の素体に何が求められているかを担当者さんが客観的に、冷静に再検討された結果の賜物ですので、さすがです。自分もまだ製品は触っていませんが、これでポージングできるのを楽しみにしています。
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▲ヒザ関節がダイキャスト製になったことで、ディスプレイ時の安定性が飛躍的に向上。さらに関節部に塗装を施すことで冥衣の隙間も目立たなくなった。
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▲腕部ヒジ関節も同様の処理が施されている。『星矢』キャラクターのアンダーウェアはノースリーブが多いため、既存商品では聖衣や冥衣の隙間から肌色の関節部が露出していた。この長年抱えていた問題をEX METAL素体は見事にクリアしている。

――続いてトイテックD.T.C設計担当さんにお尋ねします。EX METAL素体開発にあたり苦労された部分お聞かせください。
トイテック:EX METAL素体は「聖闘士聖衣神話」シリーズ素体のように自然な外見の肩と胸の可動構造を「聖闘士聖衣神話EX」素体に落としこみ、EX素体の特徴的なプロポーションでもある肩幅の広さや、聖衣を装着させる構造面をキープする必要がありました! しかしEX素体には神話素体の可動構造を組み込むスペースがなく、限られた空間の中で最適で最大限の可動を見い出す為、0.1ミリ単位での軸位置調整を何度も検証するのに苦労をしました。

――特にこだわられた部分はどこでしょう?
トイテック:既存のEX素体以上に聖衣装着状態での自然なプロポーションになるよう、なおかつポーズがとりやすくなるよう可動構造を新設計し、見た目と可動域が両立できるようこだわりました。

――「聖闘士聖衣神話EX」第1弾のジェミニサガ発売時には不可能で、現在は可能になった造形や機構はありますか?
トイテック:長年の「聖闘士聖衣神話EX」シリーズの製作経験を活かし、ジェミニサガの時よりも聖衣の胸と腹アーマーの繋がりをより自然に見せる事が可能となりました。肩アーマーや腰アーマーにおいては、各キャラクターの個性あるポーズに近づけることを目指して内部の軸構造を個々に合わせて設計しています。それにより以前は複雑な軸構造だった箇所をよりシンプルに、またスマートにすることでユーザーの皆様に解りやすく、動かしやすい可動構造を造ることができました!
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▲もう一つの改良ポイントである肩関節構造。人体に近いフォルムに落とし込むため幾度も調整が行われた。

■「ワイバーンラダマンティス ~ORIGINAL COLOR EDITION~」、および今後の展望について

――「聖闘士聖衣神話EX 冥王ハーデス」で採用された“EX METAL素体”が今回のラダマンティスOCEにも使われていますが、これは当初から予定されていたのでしょうか?
相澤:ハーデス以降展開する「大きな羽を背負うキャラクター」には、ポージング時の保持力強化のために実装しようとは元々考えていました。関節のダイキャスト化による全身のカラーリングの統一感もOCEのカラーリング方向性とマッチするなと思い、実装を決めました。

――これまで発売されたOCEシリーズは基本的には通常版からカラーリングを変更した仕様の商品ですが、今回のラダマンティスは素体を変更した事で何が変わったのでしょう?
相澤:やはり可動フィギュアとしての「ポージングのしやすさ」であったり、「全身カラーリングの統一感」が一番大きいです。単純な色替え商品では無く、少しでも新しい驚きをユーザーの皆様に届けられればと思いますので、是非お手に取って頂きたいです。

――冥界三巨頭の残る2体、グリフォンミーノスとガルーダアイアコスもEX METAL素体を導入したOCE版が発売されるのでしょうか?
相澤:もちろん商品化検討は進めています! 詳しくは話せませんが、気になる方は『TAMASHII NATION 2020』をご覧いただければ……と思います!

――冥界三巨頭以外にEX METAL素体を使用したキャラクターの発売予定はありますか?
相澤:これも詳しくはお話しできませんが、ハーデスが出たからには双子神も展開したいですよね。青銅聖闘士の神聖衣ももちろんやりたいですし。他にも色々考えていますがまだ僕の頭の中だけなので(笑)。「聖闘士聖衣神話EX」10周年を迎える2021年に色々楽しい発表ができたら良いな……と、思っています。
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▲EX METAL素体の採用により、冥衣の質感表現とポージング時の安定性が向上。さらに肩のラインもより人間らしい形状となった。本素体を使用した今後の展開にもご期待いただきたい。

「聖闘士聖衣神話EX ワイバーンラダマンティス ~ORIGINAL COLOR EDITION~」の魂ウェブ受注締め切りは11月8日(日)23時!

オンラインイベント『TAMASHII NATION 2020』開催期間には、秋葉原の直営店舗「TAMASHII NATIONS TOKYO」での展示も予定!商品試作サンプルを間近でチェックして欲しい!
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©車田正美/集英社・東映アニメーション